鎚起技術とは、一枚の金属板(銅や銀など)を叩く作業で硬くなった板を焼く作業*1 を繰り返すことにより、
板~皿を経て、袋や筒へと形を成形していく技術です。
一つの製品には何万回もの叩く工程と金属本来の化学変化を用いた着色、漆によるコーティングにより、工業製品と違った、一つとして同じ物がない、お客さまだけの一品となります。
作られる製品の多様さも魅力の一つで、日用品として使用するヤカンや急須などの茶器、ぐい呑みやカップなどの酒器から、花瓶やオブジェなどの美術的な作品まであります。
銅の持つ金属イオンが水やお茶の味を柔らかくする働きがあると言われています。
内側は手作業による錫メッキで、電気メッキより層が厚く、表面の突起によりビールの泡がクリーミーになります。
素材が金属のため、ガラスや焼き物の器と異なり、落として壊れることがなく、使い方によっては、お客さまからお子さま、お孫さままで、代々受け継いでいただける品物となります。
*1 この作業を焼き鈍し(なまし)といいます。